土地や建物を売ったときの課税のしくみ

土地や建物を売ったもうけは譲渡所得。他の所得とは区別して税金を計算する。

(1) 土地・建物の譲渡益は分離課税

 土地(借地権を含む)や建物を売ったときは、売却益(税法では譲渡益といいます)に対して所得税と住民税がかかります。
 所得税や住民税では、給料や賞与は給与所得、商売でのもうけは事業所得、預金の利子は利子所得といったように、所得を源泉別に10種類に区分しています。土地や建物の譲渡益は譲渡所得になります。譲渡所得にはゴルフ会員権や貴金属の譲渡益も含まれますが、これらは、土地や建物の譲渡益とは異なった取扱いになっています。
 所得税や住民税の計算では、一部を除いて、給与所得や事業所得等の各種の所得を合算して、その合計額に税率を乗じて税金を計算するしくみになっています。しかし、土地や建物の譲渡による譲渡所得の税金は、他の所得と区分して計算します。これを分離課税といいます(これに対して、合算して計算することを総合課税といいます)。たとえば、サラリーマンが土地や建物を譲渡した場合は、譲渡所得は給与所得と合算するのではなく、譲渡所得だけ別に税金を計算します。

(2) 譲渡所得の計算のしかた

 譲渡所得は収入金額(売却代金)から取得費と譲渡費用を差引いて計算します。取得費とは売った資産の原価、譲渡費用とは売るために要した費用のことです。(4)で説明する特別控除等の特例の適用を受けないときは、収入金額から取得費と譲渡費用を差引いた額に税金がかかることになります。

(3) 長期譲渡所得と短期譲渡所得

 譲渡所得は、長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分されます。この区分は譲渡した土地や建物の所有期間によるもので、5年が、長期と短期を区分する基準です。譲渡所得が長期譲渡所得になるか短期譲渡所得になるかによって税金の計算の方法が異なります(短期の方が税金が高い)から、長期と短期の区分は重要です。

(4) 譲渡所得には多くの特例がある

 政策上、譲渡所得には多くの特例が設けられています。最もポピュラーなのは、自宅を売ったときに適用が受けられる3,000万円の特別控除です。これは、自宅の買換えがスムーズにいくように設けられているものです。特例の適用を受ければ税金が安くなります。

(5) 所得税・住民税の申告と納税

 土地や建物を譲渡したときは、翌年の3月15日までに所得税の確定申告と納税をしなければなりません。住民税は確定申告書に基づいて市町村で計算し、納税通知書を送付してきますから、これに基づいて納税します。
 サラリーマンの場合、住民税は翌年の給料から天引きされますが、譲渡所得にかかる住民税は給料天引きと一般の方法での納税のいずれかを選択できます。確定申告書の「住民税の徴収方法」の欄の「普通徴収」を選択すれば、給料天引きされず、別に納税することになります。

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