贈与税の配偶者控除こんなときは?

土地だけ、建物だけ、自宅の一部だけの贈与も認められる。新築の不動産を贈与するときは注意が必要。

(1)土地だけ、建物だけ、一部の贈与は

 居住用の家屋だけの贈与や、敷地だけの贈与のときも配偶者控除が受けられます。また、家屋や敷地の一部だけ贈与することも認められます。地価の高いところでは自宅全体を贈与すれば、配偶者控除を受けてもかなりの贈与税になりますから、一部の贈与により共有とする方法が利用できるでしょう。

(2)新築の不動産を贈与するときは

 住宅を新築して、その一部を妻に贈与するときは注意が必要です。不動産の評価額は時価より低いですから、住宅の購入資金を贈与するより、完成した住宅の現物を贈与した方が有利ですが、新築した住宅をいきなり妻の名義で登記すれば、住宅の購入資金の贈与があったものとして課税されます。住宅の現物の贈与というためには、夫が実際に取得し、夫の名義で登記をし、その後、妻に贈与していることが必要です。

(3)家屋の所有者が配偶者でないときは

 配偶者控除が受けられるのは、通常、配偶者が居住用の家屋を所有している場合に、その家屋や敷地の贈与があったときです。しかし、家屋の所有者が配偶者でなくても、贈与を受ける人と同居している親族である場合は、その敷地の贈与について配偶者控除が受けられます。親の土地に息子が家を建てている例が見られますが、この場合でも、息子と同居しているなら、夫から敷地の贈与を受けたときに、配偶者控除が受けられます。

(4)店舗併用住宅の贈与のときは

 店舗併用住宅であっても、居住用部分は配偶者控除の対象となります。
 店舗部分と居住用部分は床面積の比で区分します(敷地も同じ比率で区分)が、全体の90%以上が居住用部分であるときは、全体を居住用不動産とすることができます。
 店舗併用住宅の持分の一部を贈与した場合、居住用部分から優先的に贈与したものとして取扱われます。たとえば、評価額4,000万円の不動産で、居住用部分と店舗部分の割合が2分の1ずつであるとします。したがって、居住用部分も店舗部分も評価額は2,000万円ずつです。この場合、一軒の家ですから居住用部分だけ切り離して贈与するのは不可能です。そこで、この不動産の持分の2分のを妻へ贈与した場合には、居住用部分の2分の1と店舗部分の2分の1を贈与したのではなく、居住用部分全体を贈与したとみなします。その結果、居住用部分2,000万円が贈与されたこととなり、配偶者控除により税金がかかりません。

5)将来売る予定のときは

 配偶者控除を受けるためには、もらった家屋(敷地のみをもらったときはその上に建っている家屋)に、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住んでおり、その後も住み続ける見込みであることが条件になっています。したがって、短期間で売却すれば、転動等やむを得ない事情がある場合以外は問題となるでしょう。なお、将来売る予定で、売却益が多額になると予想されるときは、家屋と敷地の一部を贈与して、共有としておけば有利です。なぜなら、共有であれば、売ったときの3,000万円の特別控除が、夫と妻の両方で受けられるからです。

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