調査はなぜ必要か

調査の目的とは

 いろいろな調査会社の報告書を見ると、中には不可解な記録の取り方や、作業としては間違っていないけれど、必要十分とはいえないままに、作業を終了している報告書がときおり見られます。
 どんな調査にもいえることですが、何を調べたいかという目的と、どこまでの精度が必要で、それがコストに見合っているかを、事前に明らかにしなくてはなりません。調査の目的が何であるのか、建主と調査会社は同じ見解をもっているべきです。とくに建主は自分が何のために調査をするのか、しっかりと認識する必要があります。
 スウェーデン式サウンディング試験についていえば、調査の目的は、戸建住宅を建築するにあたって不同沈下を起こす軟弱地盤が地中に隠れているかどうか探し出すことです。その資料結果により、接地圧(建物の加重が基礎を通して地面に及ぼす力)3トン/平方メートルの布基礎(拡定基礎)を採用できるかどうか、そして総工事費に影響を与える地盤補強工事が必要かどうかの判断材料を建主に提供するのです。
 この目的達成のためには、作業としての調査を超え、建物と地盤の関係をトータルに見る考察力が必要で、地盤工学と建築工学に基づいて、現場作業を組み立てなおす発想が求められるのです。

将来の出費を抑える目的も

 軟弱地盤で不同沈下を起こすと、最悪の場合、数百万円という費用を自分で捻出しなければなりません。発見が遅れたこともそうですが、調査をしなかったか、しても正確にできなかったり、基礎へ反映できないことが大きな出費につながると考えられます。
 調査に基づいて出された報告書が基礎づくりまでを眼中に入れたものであるかは、将来的に大きな出費をするがしないかという問題にもなります。調査で得られるものは、単に地盤が硬いか軟らかいかに終わらず、金銭的な苦労に巻き込まれるか否かをも左右するものなのです。