地震による地盤災害は命にかかわる

地震で地面が崩れる

 地震による災害は建物だけではなく、津波やダムの崩壊による洪水、さらに、交通や水道、ガス、電気、通信といったライフラインの支障など、実にさまざまな深刻な事態を招きます。
 なかでも土地、地盤に関わる被害を見てみると、土石流や地滑り、崖くずれなどがあります。たとえば、1964年に発生したアラスカ地震では、太平洋沿岸に長さ3キロ、幅300メートルほどの大規模な地滑りがあり、海中に土が落下した影響で入り江に大波が打ち寄せました。場所によっては30メートルもの波となったところもあり、停泊中の1万トン級の貨物船が高波により打ち上げられるなどの被害も起きています。
 また、1970年のペルー北部海岸地震では標高6700メートルのネドバス・ワスカラン山の山頂近くで地滑りが発生し、15キロ離れた麓の町ユンガイを飲み込んでしまいました。約2万人もの人が土砂の下敷きになってしまったのです。
 日本では、1984年に起きた長野県西部地震で、御岳山南側斜面が地滑りを起こし、約10キロも下って大滝川に達しています。大滝村では山崩れのために民家14棟が崩壊し、29人の死者・行方不明者を出しています。
 近年では斜面に造られることが多い大規模造成地が崩れる例も見られます。1978年の宮城県沖地震では急な斜面をひな壇状に造成して建てた団地に大きな被害が出ました。斜面といえば、道路ほど数多く斜面に造られた構造物はないでしょう。その道路もよく地震の被害を受けています。一般に斜面を横切るような道路が造られるとき、山側はカット(切土)し、谷側には盛土をする片切片盛の方法がよく用いられます。そして、崩壊するのはこの盛土をした部分である場合が多いのです。
 土地や地盤の被害は人命に関わることが少なくなく、せめて住宅だけでも地震に対処しておきたいものです。