◆硬い丘陵地でも液状化は起こる
液状化現象は人の手が加えられた土地ほど起こりやすく、海を埋め立てたり、溜め池や川の一部を埋め立てた場所は、ひとたび大地震が起こるともろさが露呈する可能性が高いのです。それを実証するかのように、神戸ポートアイランド以外の場所でも液状化が発生しています。西宮市や甲子園町などでは、旧河川の跡を予測させるように細長く液状化の発生が見られました。
たとえ良好な地盤と思われている丘陵地であっても、液状化は起きています。丘陵地では斜面を削って(切土)土地をひな壇状に段切り造成しますが、このとき盛土に砂を使うことが多く、締固めが緩かったり擁壁の水抜きなど、排水計画ができていないと雨が降っても地盤に吸収されてしまうことになります。そこへ、大きな地震がくると、盛土が液状化を起こしたり沈下したりします。古く長く眠っていた硬い土地を一度でも掘り起こすと、そこはもう軟弱地盤になってしまうといえ、硬い地盤だったから安心ということにはならないのです。
◆江戸時代以降の人工地で液状化が発生
液状化の起きた場所を調べると、江戸時代以降に人の手が加えられた土地である場合が多くなっています。たとえば、埋立地に似たものに干拓地がありますが、遠浅の海を堤防で締め切って海水をポンプで抜いて陸地化し、農地として利用したもので、最近ではムツゴロウでお馴染みの諌早湾の干拓地が有名です。
江戸時代に始まった新田開発も同じような方法で行われ、次々と開拓が進んでいくと、いつしかそこに工場が建ち、住宅が建つようになっていきました。しかし、もともと海で、しかも農地として長く利用していたところへ建物を建てると、わずかな地震でも液状化や地盤沈下が起こる可能性は高いのです。
つまり液状化は自然現象ではなく、人工的につくられた現象といえます。これからも造成地は増え続けるでしょうが、地盤への配慮は家以上に行うべきでしょう。
