◆水と空気が抜けて起こる現象
軟弱地盤の上に家を建てると、その重さに耐えきれずに地盤が沈下していくことがあります。このとき、土中で何が起きているかというと、土の中の空気や水が建物に圧迫されて、地表、あるいは周辺に逃げようとしているのです。水が逃げたり、空気が抜けたりすると土の体積は収縮してしまいます。このょうな土の収縮のことを「圧密」といい、圧密にょって建物が沈下するのを圧密沈下と呼んでいます。
たとえば、漬物を例にとると分かりやすいのではないかと思います。漬物を漬けるとき、野菜の上に石などを置いてじっくりと圧力をかけます。多分に水分を含んだ野菜は、次第に体内の水を放出させられ、体積が収縮して漬物となります。これが漬物の圧密であり、地盤と同じしくみで起きた現象なのです。
◆低地にできやすい軟弱地盤
圧密は水や空気が多いほど発生する可能性が高くなりますので、水の集まりやすい軟弱な低地は注意が必要です。低地というのは呼んで字のごとく、低いところにある地域で、水が溜まりやすい場所です。
関東をはじめ各地の海岸平野は、縄文時代前期(5000年前)にピークを迎えた海進(内陸まで海がくること)で、谷などが埋めつくされたのですが、やがて海退して現在の海岸線まで下がる(海道)間に、海岸平野をつくっていったのです。
この平野の地下には軟弱な粘土層や砂層が堆積していますが、ときには海退途中で砂洲がつくられ、その内陸部が水はけの悪い湿地となった場所もあります。こうした湿地は有明海や釧路湿原といった有名なものから、名もない小さな湿地まで、全国的に分布しています。
海に近い低地だったために地盤が水分をたっぷり含み、その水が供給されるがゆえに人が住み着く。わが国では住みやすい平坦な場所を探せば宿命的に海岸沿いの低地しかないのです。
