◆粘土質の土に生まれ変わる火山灰
地球環境にとって植物は重要な働きをすることはすでに周知のこと。この植物を育てるのは大地であり、養分がたっぷり含まれた土があればこそ、木や森が存続するのです。
土にもいろいろな種類がありますが、どんな土が植物に適しているかというと、鹿沼土などの火山灰のように、植物の生長に必要な養分が含まれた土です。通常、土の粒子は隙間が広いと水が通りやすくなり、狭いと流れにくくなって溜まってしまいます。火山灰の土はこの隙間がさまざまで、広い隙間と狭い隙間が混在しているため、適度に水を排出しながら、水分も蓄えて湿りけがあり、農地として最適な地質となっているのです。火山灰は降り積もって変質し、粘土鉱物となることで、こうした隙間のある、有機物を含んだ土となるようです。
日本は火山国でもあるため、広く火山灰土に覆われた豊かな国土でもあります。
◆栄養を溜め込む粘土
農地の改善をするために粘土を混ぜることがあります。植物が養分を吸収するためには、土の中に肥料などが溜まっていなければなりません。雨などで養分が流れてしまうと、木や作物を維持できなくなり、それを防ぐためにも粘土を入れるというわけです。
この粘土の不思議な力を解説しますと、まず肥料などの栄養分は水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれ、陽イオンが土の表面に吸着します。土の表面は陰イオンに帯電しており、陽イオンを吸着するのです。しかし、この吸着は砂や礫にはほとんどなく、粘土のように粒が細かいものほど陽イオン吸着は高まる傾向があるようです。粘土は土の粒子が最も細かいため、養分が溶けて吸着しやすいと考えられます。
土の中に粘土を混ぜることは、こうした粘土の吸着力を利用して、植物が長く栄養を補給できるようにするためなのです。
◆油の脱色にも利用する粘土
汚れた手で粘土をこねると、手の汚れやべたつきがなくなったという経験はないでしょうか。これは粘土のもつ吸着性によるもので、手の油分や汚れを粘土が吸い取っているのです。
これをもっと工業的に活用している例として石油の精製があります。精製の最終段階で得られた潤滑油にはさまざまな色素が残っていて、これを粘土が脱色して無色透明な潤滑油に仕上げ、エンジンやモーターなどに活用されるようになります。また、石油や灯油を分解してガソリンを取り出す際にも、分解作用を早める触媒として粘土は活躍しています。
原油や動植物からとった油には色がついているため、それを取り除く物質として粘土の吸着性に注目し、利用されるようになったのです。この粘土の能力は昔から利用されていたようで、織物に含まれる油を取り去る物質としてエジプトなどでは昔から使われていました。
