◆日本では地下水の10%を利用
わが国では上水道の水源を井戸に頼っている地域は、まだまだ多くあります。かつて工場で使う工業用水も半分近くが地下水でしたし、農業の灌漑用水もまた地下水をよく利用します。
利用される地下水の量を見ると、まず地上に降った雨の3分の1が地下水となり、その地下水の10%程度を利用しています。地球全体で見ると、そのほとんどが海水であり、淡水は全体の3%だと考えられています。さらに淡水の多くは北極と南極の水で、それ以外の淡水の90%は地下水なのです。

◆地下水の流れ
利用される地下水のほとんどが砂や礫(砂より大きい土粒子)の隙間にある水です。ところが、実際に地下水を最も多く含んでいるのは粘土層です。では、なぜ地下水が砂や礫から多く摂取されているかというと、粘土層は細かな粒子からなり、その粒子表面には粒子と結びついた水があります。この水を保留水といい、動けない状態となっていて、粘土層が水を通しにくい要因となっています。よって砂や礫層から地下水をくみあげるほうが早いというわけです。
ところで地下水はどのくらいの速さで流れているかというと、1日に100メートル以上移動する地下水はほとんどないようです。山に雨が降って川に流れる水の量は増えても、湧き水にはまったく影響ないのは、地下水の流れが非常にゆっくりであるからだと考えられます。平地でも浅い井戸では水位が上昇しても、深い井戸の水位は上昇しないという現象が起こるのは、粘土層などの水を通しにくい層があるためです。
日本では地下水位が高いために、工場などから排出される汚染物質と地下水が遭遇する確率が高く、地下水の流れにのって一気に汚染が広がってしまします。最近では発ガン性の有機塩素化合物などのハイテク汚染も増えてきているようです。
