土中の生物

1グラム中に1000万の微生物

 話は地盤からやや逸れてしまいますが、ここでは生物のことを取り上げてみたいと思います。もちろん土の中の生物のことです。
 畑の土の中には1グラム当たり1000万以上の微生物が生息し、その90%がバクテリア(細菌)です。そして、この中には人間にとって有益なものから無害なものまでさまざまです。有益で有名なものとしてアオカビ属の微生物からつくられるペニシリンや結核の薬であるストレプトマイシン、それに酒の製造に必要な酵母菌があります。
 こうした多くの微生物は土の中の有機物を水と炭酸ガスに分解してくれ、一部をえさとしているのです。微生物は有機物を補給すると繁殖を始め、増殖していきますが、増えすぎると有機物が滅少し、微生物は死滅してしまいます。すると、今度はその死骸が有機物となって微生物のえさになり、再び増殖を繰り返すのです。
 微生物が棲むのに都合のいい土は、粒子と粒子の隙間が大きい畑の土で、その畑の土は水分や温度が適度に保たれ、有機物を蓄えやすくなっているからです。土中に腐食物や死骸などの有機物があれば、微生物分解により、窒素、燐酸、珪酸、カルシウムなどが発生し、植物が豊かに育つ環境が整うのです。
 また、微生物は酸素を好むものと嫌うもの、どちらでもよいものの3種に分類することもできます。酸素を好む種類(好気性菌)は空気が入りやすい地表近くに生息し、反対に酸素を嫌う種類(嫌気性菌)は地中深くで活動しています。この嫌気性菌は有機物を分解し、有機酸やメタンガスなどを作る働きもあり、そのためメタンガスなどは地中の深い場所に存在しているのです。
 最近では微生物の浄化力を見直し、河川水の浄化、さらに下水処理にも利用するなど、その能力に依存しようという動きがよくみられます。