◆建物が沈下すると連鎖反応して問題が発生
建物が同一に水平なまま沈下すれば問題は少ないのですが、ある部分だけ著しく沈下する、つまり同一でない沈み方をする場合があります。この現象のことを不同沈下と呼び、建物に大きな被害を与えます。不同沈下すると、家が傾き、部分的に荷重のかかるところが出てきて、それまで均等に保たれていた力のバランスが崩れてしまうのです。
水平が保たれている間は、上からの荷重に耐えていればよかった柱や壁は、不同沈下によって傾いたため、これまでとは違った方向の荷重に耐えねばならなくなります。しかも、沈み込みが激しいところほど周囲から荷重が集まってくることになり、一般の戸建住宅の構造材が偏った荷重に長く耐えていることはできません。
不同沈下で最初にダメージを受けるのは、住宅の骨組みでもある構造材と基礎部分です。住宅にとって最も重要で強固なはずの構造部に亀裂やゆがみが生じてくるのが、不同沈下の特徴なのです。この構造材に異常が出てくると、当然、それに支えられている他の部材や建具、造作部まで被害が及んできます。そうなると断熱性や気密性が失われ、雨漏りがしたり、空調が利かなくなったりします。さらにドアの開閉が困難になる上、沈下が著しい場合、ガス管や水道管の地下埋設物に亀裂が人って漏水やガス漏れを誘発するなど、生活ができなくなる恐れも出てきます。
不同沈下には段階があり、徐々に被害が広がっていくため、ある日、突然このような事態に陥るわけではありません。まずは、初期の兆候を見逃さないことが重要です。
◆不同沈下は身体にも影響を与える
人間の感覚は思いのほか鋭敏です。柱や床が傾いた家に暮らしていると、次第に三半規管に変調をきたし、自律神経失調症に伴う偏頭痛やめまいなどの健康被害を訴える人も出てきます。