温帯に生きる日本人にはアースカラーがぴつたり
 「インテリアで使いたい色は?」という質問に対して、日本人の40%弱の人が茶系の色をあげています。第2位は白で20%です。実際にわが国では、大半の家でインテリアもエクステリアも、茶系と白がベースカラーになっています。
 寒帯では青・緑系が、熱帯では赤・オレンジ系が好まれるのに対して、中間の温帯に位置する日本では、その中間のアースカラーに好みが集中するわけです。風土や気候、肌や髪や目の色から考えても、私たちにはアースカラーがふさわしいといえるでしよう。
和室のベージュは心身にやすらぎを与える
 和室は、アースカラーのインテリアのお手本です。檜や杉などの木材は天然素材で、色は肌色に近く、部屋全体のトーンをベージュ系に収めます。中間色のベージュには、筋肉の緊張感を解きほぐす作用があり、ストレスを解消して、心身に安らぎを与えてくれます。
 障子は部屋に入つてくる光を適度に調節するだけでなく、空気を濾過(ろか)・清浄化します。そのうえ、夏は涼しく冬は暖かいといった、温湿度を調節する働きもあります。しかも、和室の天井・壁・柱・畳・障子・襖は本来、すべてが呼吸する天然素材なので、過ごす人が自然との−体感を共有できるのです。
喫茶店の内装とコーヒーの味
 濃いめの茶系でまとめられた店内に、クラシック音楽が流れる。そんな喫茶店のコーヒーは、香り豊かなエスプレッソが似合います。同じ茶系でも明るいベージュを主体にしたお店では、音楽はポップスで、コーヒーはアメリカンというイメージになります。このように、味覚や聴覚などの五感は、色に大きく影響されるのです。
 喫茶店に限らず、飲食店を経営する場合は、そこで売りたい商品のイメージカラーや柄を、内装の基本カラーにすると、より商品の印象が高まります。お店をのぞいたとき、見るからにおいしそうな印象を与えるのです。コーヒーの味とインテリアの色や音楽とのマッチングが、評判の喫茶店を作る秘訣といえるでしよう。
アースカラーを洋間に使う
 洋間でアースカラーを生かすには、温帯の日本からちよつと南に下って、亜熱帯の自然をとリ入れます。
 たとえば、フローリングの床にボーンホワイトの壁を組み合わせ、ラタンの家具を置き、スカイブルーのクッションと観葉植物を置いてみます。砂漠の土埃を感しるような空間に、空やオアシスをイメージさせるスカイブルーと観葉植物のグリーンが映えて、エスニックな雰囲気が生まれます。さらに、遊牧民族のパオ(テント)とか、アフリカの動物の毛皮の感覚を持ちこめば、またひと味違っだワイルドな印象を演出できます。
 ベースカラーにオレンジを、アクセントカラーに極彩色をとリ入れると、トロピカルな華やいた部屋もつくれます。